今回の学会は発表演題数251、参加者総数1716名と西日本で最初に開催した学会として十分な成果を挙げたのではないか、と考えています。会場として大学の校舎を使用したため、各会場の間に距離が遠かったり、席の出入りがしにくい、など参加の先生方にご迷惑をおかけしたことを最後にお詫び申し上げたいと存じます。全体としては大変スムーズに進行できました。皆様のご協力に心より感謝申し上げます。以下、私の目から見た今学会の特徴を挙げてみます。
- インフルエンザの流行について
今回の学会を開催する上で、最大の危機は兵庫と大阪における新型インフルエンザの流行で、会員の皆様から開催を危ぶむお声をいただいたり、展示企業が出展の辞退をしたり、開催直前まで不安な日々でした。本年度参加者数が伸びなかったのもインフルエンザの影響があったのではないかと思います。
- 今回の企画について
シンポジウムの2題に連日朝早くからたくさんの方に詰めかけていただきました。嚥下障害と失語症について長時間の企画でしが、包括的かつ情報量豊富で、他の学会に比べよく学ぶことができました。各特別講演も今回2題ずつ関連テーマを並べ、重層的な知識を得ることができました。いずれについても司会者、演者の間で積極的な打ち合わせが行われ、横で拝聴するだけで学者としての姿勢を学ぶことができました。
- 一般演題について
口頭発表会場はどこも満員で、ディスカッションも活発でした。250席の会場では立ち見が出て、さらに多数の席数を確保する必要があるようです。ポスター演題は今回口頭発表を行いませんでした。したがってポスターを読んだだけで理解できなければならないわけで、従来はデータを次々に貼っただけのポスターもありましたが、今回はわかりやすいポスターが増えました。ポスター会場では口頭発表会場に比べ詳細な質問が活発に行われました。
- 優秀発表の表彰
各口頭発表演題座長およびポスター演題運営委員から優秀賞の推薦を受け、5題の優秀な発表の筆頭著者に対し、賞状と記念品を贈呈しました。選考委員は以下の先生方でした。
優秀賞選考委員長:熊倉勇美、委員:小坂美鶴、中村光、福田章一郎
第10回日本言語聴覚学会優秀賞
- 「重度聴覚障害者の構音について、エレクトロパラトグラフ(EPG)、異聴傾向による分析」、甲府城南病院リハビリテーション部、内山美保先生、他3名
- 「Dysarthria患者の自己の発話認識に関する研究」、四国中央医療福祉総合学院、原大介先生、他1名
- 「今、我々ができること第15報、認知症高齢者に対する脳リハビリの紹介と効果の検討」、医療法人敦賀温泉病院介護老人保健施設ゆなみ、寺川智浩先生、他1名
- 「全失語と社会的行動障害を呈した外傷性脳損傷の一例、チームアプローチによるコミュニケーション支援と環境調整の5年間の経過」、世田谷区立総合福祉センター、中村やす先生、他4名
- 「呼吸流量計を用いた随意咳の客観的評価と喉頭侵入・誤嚥の関連」、兵庫医科大学篠山病院リハビリテーション室、福岡達之先生、他4名
- アトラクションと懇親会について
アトラクションとして高知リハビリテーション学院の学生さん33名に、よさこい踊りを1日目演題発表終了後に、披露していただきました。迫力満点の踊りに、普段は静かな大学の中庭が、一気に高知の熱い雰囲気に包まれ、多くの会員の目と耳を楽しませてくれました。それに引き続いて懇親会では、岡山の地酒と事務局スタッフによるアトラクションで大騒ぎのひとときでした。
- 学会の運営体制について
本学会は多くの専門領域を含み、会長業務を遂行する上では単に専門知識の問題だけではなく、人間関係の問題も含むため、これを一人でこなすことは困難でした。そこで本学の熊倉・福田両教授、小坂准教授および中村光岡山県立大学教授に各専門分野に関する会長業務を分掌していただき、私は大いに助かりました。今後会長をされる先生にこの方法を強くお勧めしたいと思います。また事務局は本学の講師、助教の先生方が尽力してくれました。当日のスタッフは2年から4年までの学生が担当しました。若いスタッフのアイデンティティと勤労意欲を高めるためTシャツをそろえました。
学会長 種村 純 |